4月20日(水)から二十四節気は「穀雨」に入りました。
天候がかなり安定してきましたね。
朝夕はまだひんやり感じることもありますが、昼間は汗ばむような日も。
近所の小高い緑地には山藤が咲いていましたよ。
連休も近くなり、楽しみの多い季節です ^_^
もくじ
二十四節気
穀雨
- 穀雨 (こくう)
: 4月20日(水)
「穀雨」は太陽黄経30度を通過するときをいいます。
「百穀春雨(ひゃっこくはるさめ)」に由来、恵みの春雨が百穀を潤す様子をあらわしています。
農家では、霜よけの覆いが取り払われる頃。作物がどんどん成長していく、過ごしやすいとき…。
そろそろ花粉もピークは過ぎ、お外でゆっくり過ごせる貴重な時期かもしれません。
2月から飲んでいた花粉用のサプリがあと数個になりましたが、花粉情報を見ると、もう追加注文しなくていいかな?と思ったり。
花粉の次、これから気になるのは紫外線です。
UVクリームや日傘、帽子などお忘れなきよう。
七十二候
二十四節気「穀雨」から始まる七十二候です。
葭始生 (あし はじめてしょうず)
- 初候 16候
葭始生 (あし はじめてしょうず)
: 4月20日 (水)
葦が芽を吹き始める頃。
この候での「葭」は、わたしたちにけっこう馴染みのある植物なのですよ。
川辺や沼辺などの低湿地に群生するイネ科の多年草。
「葦」と書くことが多いかも。
「芦」「蘆」とも書きます。
ここからの解説は多数派の⁇「葦」で統一しますね。
読み方
- 「あし」
- 「よし」…「悪し」を「良し」に転じた
葦を使った地名
関西では「芦屋」、江戸時代の「吉原(葭原)」などなど、他にも各地にあり。
身近な植物
葦の茎は長く、中が空洞で、軽くて丈夫なため、いろいろなものに使われています。
- 葭簀(よしず)の原料。ちなみに簾(すだれ)は竹でできている。
- 茅葺き民家の屋根材
- 垣根などの材料
- 楽器「葦笛(あしぶえ)」
日本の古名にも使われている
- 『古事記』…「葦牙 (あしかび)」という葦の芽を意味する言葉と「葦牙」に由来する神の名前「宇摩志阿斯訶比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)」の記載あり。
- 『古事記』『日本書記』など…「葦原中国(あしはらのなかつくに)」という日本の古名と「豊葦原の瑞穂の国(とよあしはらのみずほのくに)」という美称の記載あり。
葦で作った「葦舟」は、日本神話だけでなく、世界各地の神話や民話にも出てくるようです。
スレンダーバディ(笑)にしなやかさ、軽やかさ。しかも丈夫! という葦が芽吹く時期…という候でした。
霜止出苗(しもやんで なえいずる)
- 次候 17候
霜止出北 (しもやんで なえいずる)
: 4月25日 (月)
霜が終り稲の苗が生長する頃。
晩春、このくらいの時期になると、朝晩の厳しい冷え込みは緩み、農作物の大敵である霜も降らなくなります。
稲などの苗は安心してすくすくと育ち、農家では田植えの準備を始める、忙しく活気あふれる季節となります。
今回の二十四節気「穀雨』は三候とも植物がテーマですね。
この
・「霜止出苗 (しもやんで なえいずる)」
に対して10月下旬の二十四節気『霜降』初候に
・「霜始降 (しも はじめてふる)」
という候があります。
この候が春秋の対を為す風物のラストを飾ることになります。
そんなこんなで
「もうすっかり春!霜も降りないし安心安心 (^_^)v」
と言いたいところですが、まだ油断できません。
実は「忘れ霜」といって晩春になっても降りる霜があるのです。
「忘れ霜」
八十八夜の頃に急に気温が下がって降りる霜のこと。
八十八夜
『八十八夜』」は雑節のひとつ。
二十四節気『穀雨』の終わり頃で、今年は5月2日(月)です。
♪ 夏も近づく八十八夜…♪
…でお馴染みですね。
(え?知らない?平成以降に生まれた方は検索してください。。)
この時期は春から夏への変わり目。
気候も安定することから茶摘みや水稲の籾撒き(もみまき)などが行われます。
この「忘れ霜」は茶園、農家の方々にとって厄介であり、恐るべき現象です。
お茶の名産地、静岡では、地方気象台が毎年3月中旬〜5月上旬まで「遅霜予報」を発表しているとのこと。
伊豆(お茶を生産していない地域)以外では、天気予報で当たり前に流れているそうです。
本当でしょうか?
もしご存知の方がいらしたら知らせていただけると嬉しいです。
牡丹華(ぼたん はなさく)
- 末候 18候
牡丹華(ぼたん はなさく)
: 4月30日(土)
「百花の王」と称される牡丹が咲き始める頃です。
ご近所さんのお庭では立派な牡丹がもう咲いていましたよ。
そうえいば牡丹で思い出したことがありまして。
少し長くなりますが、よかったらおつきあいくださいませ。
実は美大で日本画を専攻していた著者、かつて5月の連休とその前後は、ある個人の牡丹園にスケッチ通いしておりました。
朝6時に家を出て、暗くなるまで現地でねばり、1時間くらい運転して帰宅。その繰り返し。
元気ですね〜。若かったしね…(笑)。
後で出てきますが、ご存知でした?
牡丹は草ではなく木なのです。
放っておくと、茎も枝もどんどん伸びます。
その牡丹園には「悠久の⁈年月を経た牡丹たち」が天に向かう林のようになっているエリアがありました。(高さ2メートル超えもあり!)
そのころ個人的に牡丹というのはやたらゴージャスというかセレブというか、そんなイメージがありまして…、
下級庶民の著者にとっては眩し過ぎて近寄り難く、あまり好きな花ではありませんでした。
ところがその牡丹園で出会った可憐な一重咲きや、風に揺られるたおやかな姿、スタイリッシュな枝ぶり…
すっかり魅せられ、夢中でスケッチ。
遠い道のりと渋滞と紫外線にもめげず数年通わせていただいたのでした。
もう行くことがなくなって久しいですが…。
あの日々のおかげで野生の牡丹⁇に触れ、スケッチのおもしろさに目覚めることができました。
そんなことを思い出させてくれた今回の七十二候…なのでした。
さてお話変わりまして。
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花…」という美人をたとえる言葉がありますが…。
「芍薬」と「牡丹」って似てますよね?
ちなみに英語では両方ともPeonyだったと思います。(たぶん…^^;)
ここで見分け方のいくつかをご紹介いたします。
【葉の形】
- 牡丹…ツヤがなく、切れ込み入り。先が3つに分かれている
- 芍薬…ツヤツヤで切れ込みなし。やや丸みがある
【蕾の形】
- 牡丹…少し先がとがっている
- 芍薬…丸くきれいな球形
【開花時期】
- 牡丹…4月下旬~5月中旬(晩春)※1
- 芍薬…5月~6月(初夏)
※1 冬に咲く「寒牡丹」もあります。
【枝分かれ】
- 牡丹…木本性。幹があり、枝分かれして一枝に二輪ほど花をつける
- 芍薬…草本性。細い茎の先端に一輪花をつける(枝分かれしない)
そうそう、芍薬は薔薇に似た甘い香りがするそうです。
著者はあまり身近で芍薬を見た記憶がありません。
機会を作ってその香り、確かめてみたいと思います。
(お出かけの大義名分ができて嬉しい…^_^)
以上、二十四節気『穀雨』と七十二候についてでした。
今回で「春の節気」は終わります。
次は『立夏』、その前に『5月のカレンダーまとめ』記事をお届けする予定です。
それまでどうぞお元気で。
ごきげんな毎日をお楽しみくださいますように🍀
ここまで読んでくださって
🍀ありがとうございます!🍀
・・・mayura・・・